「躾」 と 「教育」「育成」


チワワの子犬が我が家に来てから、
犬について何の知識もない私は、インターネットであれこれ調べながら、
なんとか子育てをしているわけなのですが、
最近、あらためて気付いたり、考えたりしたこと・・・ それは「躾」です。



「躾」という言葉を国語辞典(大辞林)でひくと、
「子供などに礼儀作法を教えて身につけさせること」とあります。

いろいろな会社で、新入社員について 「躾ができていない」 などという話を聞きますが、
「社会人としての常識を身につけていない」という意味で使われているのでしょう。



ただ、社員に対する「躾」という言葉をきくと、私としては、なんとなく違和感を感じていました。
それは、たぶん「犬の躾」からくるイメージに原因があるのだと思います。

「犬の躾」を勉強した結果、自分が「躾」という言葉に抵抗を感じた理由が、
ますます明確にわかったような気がしました。

なぜなら、「(犬の)躾」は、躾をする側(=人間)が完全に上の立場にいて、
躾をする側(人間)の理論(都合やルール)でなされる性格のものであることを、
あらためて具体的に理解したからです。



辞書でひいたかぎりでは、「躾」という言葉には、もともとは「犬の躾」といった意味はなかったようです。

「無理なく人間社会で生活できるように、人間社会におけるルールを身につけさせる」という意味で、
ペットのトレーニングに「躾」という言葉が使われたのですね。

ですから、「犬の躾」のイメージから、「躾」という言葉に抵抗を感じるのは、本末転倒なのですが、
それくらい「犬の躾」は一般化しているみたいです。



さて、その「犬の躾」ですが・・・、


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2009年8月 4日 10:08仕事人としての日常トラックバック(0)


性質の違ういくつかの要素があるように思います。
(何でも分解して考えてしまうのは、仕事がら、癖になっているのかも。。) 

① 犬が人間社会で生きていくために、どうしても必要なこと
    例: トイレのトレーニングや、むやみに吠えないこと、攻撃しないこと、過度に甘えないこと・・・など

② 飼い主とのコミュニケーションがとれて、双方が幸せに生活できるために、できた方が良いこと 
   (犬も、もしかしたら幸せ?)
   例: 「おいで」「お座り」、おもちゃを投げるととってくる・・・など

③ 人間の都合
   例: 「マテ」 「ハウス」 散歩のときに飼い主のペース・方向にあわせて歩く、
      「バーン」(打たれたら倒れる)などの芸  ・・・など
  



人間にかわいがられて、人間の生活に支障をきたすことなく生活できないと、
結局は犬自身が不幸になることからすれば、これらの「躾」は必要不可欠なのかもしれません。

でも、犬の本能からすれば、必ずしも幸せなことばかりではなく、
また、どうしても必要なことばかりもありません。

③ などは、人間の都合や、人間がかわいいと思うから強いられていることも多いのです。
 (お散歩については、大きな犬の場合は必要不可欠かもしれませんが、
 小さい犬の場合は、人間のペースや方向にあわせなくても良いような気がします。)




そして、これらの「躾」の前提として、「主従関係」がきちんと成立していることが求められます。
人間が完全に「上」の立場にあることを、きちんと認識させることが必須なのです。

それを認識させるために、大好きなオモチャも、飼い主が出してきて与え、
遊んでいる最中に取り上げてしまうことが必要なのだそうです。
決して、遊びたい放題にしてはいけない・・・そうです。

また、留守番をさせて家族が帰ってきたときには、尻尾が千切れんばかりに喜びます。
でも、最優先で犬にかまってやるのではなく、まずは家族に挨拶をし、
荷物を片付けるなどしてから、最後にかまってやらなくてはいけないそうです。


なんか、かわいそうですが、このようにして、主従関係をきちんと作っておかないと、
大きくなって、わがままで、手がつけられない「問題児」になってしまうということでした。





若手社員に対する 「躾」 という言葉を使うのに私が抵抗を感じるのは、
こういったイメージが付きまとっていたからだと思います。

それに対して、
「育成」という言葉は、「立派に育て上げること」、
「教育」は、「他人に対して、意図的な働きかけを行うことによって、その人間を望ましい方向へ変化させること」
と、大辞林では定義されています。


どちらも、上下感がなくて、私は好きです。
特に、「育成」という言葉には、根底に愛情を感じます。




といわけで、
最低限の常識も身につけていない・・・という意味で、あえて「躾」という言葉を使う場合を例外として、
会社における教育や人材開発には、意図して「育成」 という言葉を使っていきたいという思いを新たにしたのでした。


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